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無機塗料のメリットとデメリット⁠|ひび割れとの相性に注意

外壁

4分で読めます

運営:株式会社紺野商事 カベウチ編集部(編集方針)宅地建物取引業 東京都知事(1)第111070号

「無機塗料は長持ちする」と聞くと、それだけで選びたくなるかもしれません。ただ、無機塗料は製品ごとの差が大きく、外壁の種類によっては向き不向きがあります。外壁がサイディングか、ひびの多いモルタルかで、確かめる順番が変わります。

無機塗料のような硬い塗膜で仕上げたモルタル外壁と、窓の角の細いひびのイメージ

結論長く住む家の候補。ひびの多い外壁は下地と下塗りを先に確かめる

  • 無機塗料は無機成分を主体とする樹脂の塗料で、長い持ちをうたう製品が多い
  • 公的な共通の耐用年数の目安はなく、製品のカタログで比べる
  • 費用は足場込みでシリコン系より6割あまり高い(当サイトの計算)
  • 塗膜が硬めの製品は、ひびが動く外壁では下地と下塗り材の組み合わせが決め手になる

無機塗料とは

無機塗料とは、石やガラスに近い無機成分を主体とする合成樹脂を使った、塗料の総称です。塗料メーカーの日本ペイントは、自社の無機系製品について「ふっ素樹脂塗料を上回る耐候性」と説明しています。

  • 石やガラスのような無機物だけでは塗膜を作りにくく、有機の樹脂と組み合わせた製品が多い
  • 「無機」の配合割合に公的な決まりは見当たらず、同じ呼び名でも中身が違う
  • 親水性の塗膜で、雨が汚れを流しやすいとうたう製品もある

ほかの塗料と並べた比較は外壁塗料の種類と選び方にまとめています。

無機塗料で塗るといくらかかる?

無機塗料で外壁を塗る費用は、延べ床21〜30坪の2階建てで105〜149万円が目安です(当サイトのシミュレーター)。耐用年数は公的な共通の目安がなく、カタログの期待年数や試験の結果で比べます。

無機塗料で外壁を塗る費用の目安は、延べ床20坪までが73〜103万円、21〜30坪が105〜149万円、31〜40坪が140〜198万円

当サイトのシミュレーターでは、足場を除く工事一式の1㎡単価を、無機系10,300円、シリコン系5,500円としています。図は2階建てで足場代を含み、幅の下側がサイディング、上側がモルタルの家です。

家の条件を変えた金額はかんたん見積もりシミュレーターで比べられます。

硬さによる長所と短所

無機系は、汚れや紫外線に強い硬めの塗膜を特長にする製品が多く、その硬さが長所にも短所にもなります。塗料メーカーの解説でも、無機塗料はかつて塗膜の柔軟性などを一部犠牲にしていたとされています。

見る点長所短所・注意点
持ち長い期待年数をうたう製品が多い公的な共通の目安がなく、製品で差が大きい
汚れ親水性で汚れが流れやすい製品がある効果の程度はカタログの試験条件で確かめる
硬さ表面が傷つきにくい下地が動くと、ひびに追従しにくい製品がある
費用塗る回数を減らせれば総額を抑えられる1回の費用はシリコン系より6割あまり高い

弾性のある下塗り材との組み合わせを示している製品もあります。どの下塗り材と組み合わせてよいかは、カタログの仕様で確かめてください。

モルタル外壁に無機塗料は塗れる?

モルタル外壁にも塗れますが、ひびの補修と下塗り材の選び方を塗料より先に決めます。モルタルは乾くときに縮み、引っ張る力にも弱いため、施工に問題がなくてもひびが入りやすい材料です。

モルタル外壁に無機塗料を塗る前に確かめたいのは、ひびの幅と数、ひびの補修方法、弾性のある下塗り材との組み合わせ、メーカーの仕様で使える下地かの4つ

国の研究所の資料では、モルタルの幅0.3mmを超えるひびは補修の対象です。外壁のひびの幅が気になるときは、定規を当てて撮った写真をLINEで送ってください。

無機系を選びたい家、慎重にしたい家

無機系が候補になるのは、この先20年以上住み、塗り替えの回数を減らしたい家です。そのうえで、外壁の状態と予算を確かめてから決めます。

  • 向いている:長く住む予定で、足場を組む回数を減らしたい
  • 向いている:サイディングで、目地のシーリングも持ちのよい材料にそろえられる
  • 慎重に:モルタルでひびが多い、次の塗り替えまでに住み替えの予定がある

紫外線による劣化を抑える別の方法として、ラジカル制御型塗料も比べる候補になります。

塗装工事の流れは外壁塗装の基礎ガイドで確認できます。

よくある質問

Q. 無機塗料は30年もちますか?

30年もつと確かめられる公的な目安はありません。メーカーが示す期待年数は試験の条件や立地で変わるので、カタログの根拠を確かめ、実際の塗り替えは点検の結果で決めてください。

Q. 無機塗料とフッ素塗料はどちらがいいですか?

どちらも長持ちの部類で、1回の費用は当サイトの単価では無機系が高めです。フッ素系は公的な資料に約14年の目安があって比べやすいので、住む年数と外壁の状態で選んでください。

Q. 無機塗料を塗ればひび割れも防げますか?

塗料だけでひび割れを防ぐことはできません。モルタルのひびは材料の性質でも起こるので、塗る前の補修と、下地の動きに合った下塗り材の組み合わせで対応します。

まとめ

  • 無機塗料は長い持ちをうたう製品が多いが、公的な共通の目安はなく製品で比べる
  • 費用はシリコン系より6割あまり高く、長く住んで塗る回数を減らせる家に向く
  • ひびの多いモルタル外壁は、補修と下塗り材の組み合わせを先に決める

無機系を勧められたら、提案された製品名と組み合わせる下塗り材の名前を、見積書に書いてもらうところから確かめましょう。

出典

この記事は、次の資料を確かめて書いています。

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このテーマの基本ガイド

外壁塗料の種類と選び方⁠|シリコン・フッ素・無機の違い外壁塗料の種類は、見た目を保てる年数がシリコン系で約10年、フッ素系で約14年と樹脂で変わります。延べ床21〜30坪ならシリコン系64〜90万円、無機系105〜149万円(当サイトの目安)で、住む年数から選ぶと迷いません。